クラシカル・ホメオパシー

コレステロール神話について − 日本語の資料編

コレステロール神話の崩壊(前回のブログを参照)は、日本より海外のほうが進んでいます。日本にもコレステロール低下の医療的必要性を批判する専門家は増えていますが、その声や研究発表は(昔の反原発の研究者や運動家とよく似たように)まだメインストリームの医療、患者と医者の常識には届いていません。もっと興味のある人のために、このブログに日本語の資料編を載せます。親戚や知り合いでコレステロール値低下のためにスタチン薬剤を飲む人がいれば、この情報を教えてあげて下さい。どうぞご自由に活用ください。

「スタチン、心臓病予防に有効なの?学会調査では効果なし」(PDF) という見出しで、朝日新聞は2014年9月に脂質栄養学会理事の奥山治美氏の調査結果を紹介しました。奥山治美氏は、1990 – 2008年までに行われたスタチン剤の効果を確かめるため、16件の臨床研究を調べました。それによりますと、「効果なし」という結論に至った研究は、全て製薬会社から完全に自立している研究グループによって行われた一方、「効果あり」と発表した研究プロジェクトはすべて、製薬会社主導の研究、あるいは企業から支援を受けている研究者による研究だったそうです。

ジャーナリストの John Carey 氏が Bussinessweek 誌に、「Do Cholesterol Drugs Do Any Good?」(PDF) という非常に考察に富んだ記事を載せました。(2008.1.28)日本では日経ビジネスonlineが、その邦訳を「コレステロール低下薬で大論争」(PDF) というタイトルで掲載しています。ぜひ一読をお勧めしたい記事です。

コレステロール神話の積極的な批判者のひとり、スウェーデン人の医師、Uffe Ravnskov 氏はよく知られている存在です。彼のHPでは、コレステロールとその低下について、大切なポイントを分かりやすく総括的に紹介しています。コレステロール神話の眼鏡を外した時に、コレステロールの事実がどういうふうに見えてくるか。それを理解するのに大変便利な読み物です。糖尿病治療を専門とする江部康二医師のブログで、その日本語訳を見つけましたので、こちらに読みやすいようにPDFにまとめます。

日本国内において、コレステロール神話を乗り超えるために先駆者的な役割を果たし、専門的な研究で貢献する学会といえば、脂質について一番詳しいはずと思われる脂質栄養学会(JSLN, Japan Society for Lipid Nutrition)です。そのHPには日本でのコレステロール論争の流れや資料が細かく紹介されています。研究者、医療専門家向けのものが多いですが、とても誠実で濃い内容です。JSLNのメジャーな3つの発表をPDFとして載せます。
長寿のためのコレステロールガイドライン」(2010年版) の要旨
長寿のためのコレステロールガイドライン」(2014年版) の目次と序文
日本動脈硬化学会宛に出した「コレステロール低下医療に関する緊急提言

文書より画像の好きな方のために:JSNLの21回大会のパネルディスカッションのメンバーの講演はYouTubeで見られます。
Cholesterol discussions (1) 奥山治美
Cholesterol discussions (2) 大櫛陽一
Cholesterol discussions (3) 浜崎知仁
Cholesterol discussions (4) 浜六郎

この四人の先生の講演を聞いて、さらに関心を持った方には、日本語の本も何冊か出版されています。先生方の名前とコレステロールで検索すればすぐ見つかります。

そしてフランスとドイツでのコレステロール論争に大きな影響を及ぼした書籍があります。こちらは邦訳が出版されています。
ミッシェル・ド・ロルジュリル、コレステロール嘘とプロパガンダ(篠原出版新社  2009)
(Michel de Lorgeril, Cholestérol mensonges et propagande, 2008)
ワルター・ハルテンバッハ、コレステロール欺瞞  ー「悪玉」コレステロールは作り話(中日出版社  2011)
(Walter Hartenbach, Die Cholesterin-Lüge. Das Märchen vom bösen Cholesterin, 2002)