クラシカル・ホメオパシー

Monthly Archives:: November 2020

コロナ展望録。その6

Covid-19 の危なさ。イタリアを見る(その1)

イタリア、ニューヨークなどのCovid-19による一時的な医療システムの崩壊や死亡者の人数は、誰もが忘れられません。当時に報道された映像や数字は、多くの人の記憶に焼き付けられ、Covid-19の危険度についての私たちの印象に大きな影響を及ばしました。

「危なさ」や「危険度」について言うと、忘れていけないことがあります。こんな例で説明しましょう。

車を時速100kmまで飛ばします。この飛ばし方は危ないでしょうか?鈴鹿のレーシングコースで飛ばせば、あまり危なくないですね。高速度道路で走ると、制限速度は超えているものの、危ないのか危なくないのかは、その時の状況によります。雨、霧、雪、混雑具合など。そして街中の道路を100kmで飛ばすことは、明らかに「殺人」と言いたくなる危険度です。ちなみに、逆に20kmで走る車がいつも危なくないかを考えてみると、決してそうとは言えません。街では交通の流れをちょっと邪魔するだけかもしれませんが、高速道路や路鈴鹿のレーシングコースで20kmで走るのは、極めて危険です。特にその道路を高速で走る車がいれば。

「危なさ」は極めて相対的なものです。病原体や病気の場合も一緒です。ある特定のウイルスの危なさは、そのウイルスが実際に流行る地域やその住人の特徴を無視したまま、抽象的に測ることができません。ウイルスや感染病の危なさを把握したい時、そのウイルスがどんな状況で、どんなセッティングの中で、危なくなるのか、そしてどんな人にとって危なくなりうるのかを、考えなければなりません。

イタリア国内のCovid-19の広がり方を見ても、その事柄がはっきりと見えてきます。新型コロナウイルスの流行によって、非常に多くの犠牲者が出たのは、主に北イタリアのロンバルディア州で(とその隣の地域)だけで、イタリアの他の地域は例年のインフルエンザと大きく変わりません。(イタリアの地域ごとの死亡者数と超過死亡率を参照:PDFPDF

ロンバルディア州におけるCovid-19の流行り方とその死亡者数を基準にして、新型コロナウイルスの危なさを判断するのは、本末転倒するものの見方です。むしろ逆に、ロンバルディア州は、どんな特別の条件があって、どんな要因が絡んで、新型コロナウイルスの流行が、これほどたくさんの死亡者をもたらしたのか、を分析する必要があります。その要因のいくつかをこれから指摘したいと思います。

ロンバルディア州はイタリアの最も経済力を持つ工業地帯です。ロンバルディア州の一人当たりの経済力(GDP)はドイツの経済力を上回っています。それと同時に、ロンバルディア州はヨーロッパの中の空気汚染が一番ひどい地域として知られています。(衛星から見た、二酸化窒素の濃度の変動を測るヨーロッパの空気汚染を示す地図)。空気汚染のひどい地域は、当然、気道疾患や気道感染が起こりやすくなります。特に冬はなおさらです。空気汚染とCovid-19における平均値を超える高い死亡率の関連は世界のほかの地域にも見られます。(イタリアイタリヤイタリヤアメリカ中国一般)つまり長い間、空気汚染のひどい処に住むと、気道感染症にかかりやすくなるのです。昔から空気汚染はヨーロッパだけで、毎年4万人の早死を起こしています。空気汚染は気道疾患や気道感染症の一番大きなリスク要因です。(PDF

冬にインフルエンザや他の気道疾患を引き起こせる風邪ウイルスが流行ると、ロンバルディアの病院が医療破壊に近い状態になるのが、悲しい現実です。(PDFlink)そのため、Covid19の時だけではなく、平年の冬にもロンバルディアの集中治療室(ICU)は普通に85%から90%の占有率で稼働しています。(PDF

Covid-19があれほど大きな危機になるため、もう一つの大きな原因は、長年の緊縮政策や医療の民営化によってイタリアのダウンサイジングされた公共の医療システムです。特に2008年の経済危機から加速しています。「医療費の値上げ、医療スタッフと医療施設の縮小や一般人口の可処分所得の減少は、イタリアの医療のアクセスビリティにおける劇的な不平等をもたらした。」(PDF)

一般市民にとって医療へのアクセシビリティを計る数字の一つは1.000の人口当たりの病床数です。日本 13床、ドイツ 8床、イタリア 3床、イギリス 3床、スペイン 3床。(link)

またイタリアのなかでも、特にロンバルディア州は病院の民営化が非常に進んでいます。医療システムにおける営利目的の様相が強くなると、医療の方向や質が偏ります。特権階級のための医療サービスと利益率の高い治療(ガン治療、人工関節など)が増え、一般市民のため医療、あまりお金にならない医療が減ります。New YorkでCovid-19の犠牲者があれほど多かったのも、アメリカでの貧困の極端な差と医療へのアクセシビリティの不公平さが大きな原因の一つでした。

ロンバルディアとニューヨークの、新コロナウイル対策におけるもう一つの共通点がありました。みんなが一番パニックになって、病院が荷重超過になったとき、病院の負担を減らすために、軽い症状の患者を、病院から介護施設の空き部屋へ移すよう、行政指令が出されました。それによって、新コロナウイルスが、人生の終わりで一番免疫力の弱い要介護者への広がりを非常に促進したのです。(PDFPDFPDF)この行政指令は、すでに裁判と査問会で論争されていますが、Covid-19関連の死者を大幅に増やしたことに対する、最も大きな要因を見事に照らしています:不安やパニックに落ちた人間の、慌てた、あたふたとした態度。

メディアの報道があまりにも大げさに恐怖をあおったことで、普段、病院に行かない人も心配になり、単なる風邪の症状、または軽症でも、念のために病院に行くケースが増えました。それによって病院の対応能力を超えてしまったとともに、院内感染によって罹患する人が余計に増えました。イタリア(そして中央ヨーロッパ全般)の在宅や施設における介護は、東ヨーロッパから出稼ぎに来る、コストが安い女性のヘルパーなしに成り立ちません。パンデミックについての不安が大きくなった彼女たちは、家族を心配し、ロックダウンや国境閉鎖を恐れて、すぐ国に逃げ帰りました。それによって、要介護者の面倒やケーアが悪くなり、医者や病院の手助けを求める高齢者が急に増えました。学校や保育園の閉鎖で、仕事に行けなくなるお母さんたちが増え、病院や施設に必要なスタッフの数がさらに減りました。行政がCovid-19で亡くなった人を、衛生の理由で火葬すべきだと指令したため、カトリックの国であるイタリアでは埋葬が普通であるために、火葬場が足りなくなりました。葬儀業者も感染が怖くなり、防護服がないために、仕事に出かけなくなったため、一時的に軍隊に死体を墓場へ送ることを頼むしかありませんでした。このようにして、人間がパニックや不安に落ちたとき、それによって介護、医療、葬式の仕事などがパンクして、パニックの悪循環がより加速化するのです。(より詳しい英語でのレポート、PDF

ロンバルディアでたくさんの人が死ななければならなかったのは、新型コロナウイルスの危険性というより、後先を考えずに行った長期的、短期的の下手な政治対策の原因が主な原因です。「COVID-19の危険性は、この病気が特定の国でもたらした犠牲者のため、大幅に過大評価されています。これらの死亡率は、生活環境、健康保健や医療システムの状態と方向性、そして死亡者の統計的な数え方の基準の違いによるものです」(Andreas Sönnichsen、ウィーン医学大学のパブリックヘルス研究所、PDF

これまで主にロンバルディアのCovid-1の犠牲者の背景にある社会的、政治的や環境的な要因を指摘しました。次回のブログは、イタリアを手掛かりにもっと個人的な要因について書いてみます。新型コロナウイルスはどんな特徴の人に、そしてどんな条件のもとで、危なくなりうるのか?

第44回 『ホメオパシーを話す会』


『予防接種のメリットとデメリット』

ワクチン接種は近代医学の一番大きな利器として誉められています。コロナ禍の唯一な出口として取り上げられ、世の中が新コロナワクチンの開発に慌てています。近い将来、コロナの予防接種を受けるか受けないか、という選択を迫られることになるでしょう。一利一害は世の常だと言われるように、予防接種にもリスクがあります。今回の話す会では、ホリスティック医学の視点から、そのメリットとデメリットの両方を論じたいと思います。

(参加無料/予約不要)

【東京】
日時:11月28日(土)15:00ー16:30
東京都港区六本木 3-17-10

【最寄駅】
東京メトロ日比谷線・都営大江戸線「六本木」駅徒歩6分
東京メトロ南北線「六本木一丁目」駅徒歩6分

*前日までご一報頂ければ、詳しい地図と部屋番号を
おくります。〈mail@ew-homeopathy.net

【京都】
日時:12月5日(土)15:00ー16:30
場所:foodelco(ミーティングルーム)
京都市上京区信富町 298
【最寄駅】
地下鉄「丸太町駅」徒歩12分
京阪電車「神宮丸太町駅」徒歩10分
地下鉄「市役所前駅」徒歩15分

*参加無料、予約不要です。
*前日までにご一報頂ければ、詳しい地図をおくります。