Living Homeopathy

治療家のための勉強グループ

2019年の秋に『Living Homeopathy』という、専門的な勉強グループを発足しました。タイトルが語るように、単に「ホメオパシーに関する正しい知識を持つ」ところで留まることなく、ホメオパシーを自分の生活の中でもっと生かしたい治療家、治療現場でもっと上手に、もっと速やかに対応したいホメオパシー治療家、ないし治療家になりたい人のための勉強グループです。年1〜3回、週末の2日間にわたって集まり、小さなグループ(定員15人)で、通訳を介さない日本語の講座によって、十分な話し合いと質疑応答の可能な形式で、エルマー・ヴァインマイヤーのもと、ホメオパスとしての個人的成長とスキルアップを目的として集中的に勉強します。

Living Homeopathyが志す学び方

「ホメオパシーを施すには、まず自分自身がホメオパシー的に生きなければなりません。」これは私の師であるアナリサ・アダミが、彼女の講座の初日、開口一番に発した言葉です。レメディの効用、セッション、マテリア・メディカ、レメディーの処方など、ホメオパシーの技術を覚えようと参加した当時の私には、不思議で、消化しにくい発言でした。いま、こうして長年、治療の仕事に携わりながら、この言葉のリアリティをしみじみと痛感しています。自分の元にある「元気」との繋がりを長く見失うと、あるいは、その繋がりがもつれると、人は病気になります。ホメオパシーという道具をもって、病人を治療する治療者は、治療者本人が、自分の元にある元気とのパイプを、人より絶えず厚く、深く、大事にしなければなりません。

つまり、ホメオパシーを学ぶということ、そして治療家になるということは、正しい答え合わせや、正しいレメディーの選び方を覚える話ということとは違います。自分の心の奥に触れる、自分の生き方にまで及ぶ学びなのです。これはホメオパシーに限った話ではありません。なにを学ぶとしても、その学びと生きることが合流したところで初めて、ひとりひとりが、自分に相応しい生き方を掴めるようになり、自分の元にある「元気」を生きられるようになります。

Living Homeopathyでは、毎回一つのテーマを掲げ、ホメオパシーをどう活かせるのか、対応可能となるための知識、レメディー、治療のヒントなどについて、いろいろな側面や軸からテーマを掘り下げていきます。そして何より、先に触れた「生き生きとした学び」を大事にして教えていきます。

Living Homeopathy のテーマについて

Living Homeopathyのテーマには大きく二つの柱があります。まず一つめの柱は、現代社会のなかで頻繁に登場する不調や病気の対応と治療についてです。これらは、ホメオパシーの治療現場でも、大変ニーズの高い分野です。

たとえば:「心臓の病気」、「バーンアウトや過労」、「花粉症と食材アレルギー」、「甲状腺の不調」、「認知症」、「妊娠と出産」、「教育と発達の為のホメオパシー」など。もう一つの柱は、ホメオパスの心構えと治療の進め方に関わるテーマです。たとえば:「レメディーのポテンシー、形、頻度を決める」、「サポート・レメディーについて」、「ケース・テイキングというアート」などが挙げられます。

Living Homeopathyは、どんな人にお勧めですか?

  • 自分が習ったホメオパシーをもっと活性化し、治療現場で大いに使っていきたい。
  • ホメオパシーの学問(勉強、知識)と実践的な適用の隔たりを縮めたい。
  • ホメオパシーの知恵と応用範囲を広げたい。
  • 身につけた知識を、より速やかに、的確に応用したい。
  • これまで勉強したことを、新たな側面から復習したい。
  • 自分の治療道具箱を充実させたい。
  • 治療者としての自分の姿勢や心をより深め、さらに明確にしたい。
  • いきいきとしたホメオパシーに触れたい。
  • 治療者に欠かすことのできない個人的成長を大事にしたい。
  • 治療者としての自分の自信を高めたい。

Living Homeopathyの勉強会アーカイブ

「LIVING HOMEOPATHY 第16回勉強会 ー 穂高リトリートセミナー 」
リビング・ホメオパシーの定番になりつつある、穂高リトリートセミナーは今年で4回目の開催になりました。今回の大きなテーマは、慢性疾患の治療でした。内容の詳細については「参加者を募集」のブログや参加者の体験談をご参照ください。

多くの慢性疾患は、近代医学でで「難病」として扱われています。根本的な改善が期待できないため、対症療法的な緩和が主な治療方法です。ホメオパシーは、慢性疾患を生命力の深いもつれとして捉えながら、レメディーを通じてそのもつれを治そうとするもので、慢性疾患の患者にもはっきりとした調子の改善が見込めます。慢性疾患の根は深く、長年の経過を経て発症するため、ホメオパスも患者も、気長に、そして丁寧に治療にコミットする必要があります。

ハーネマンのオルガノンや慢性病論の文書を手がかりにするとともに、数多くの症例を参照しながら、以下のテーマをもとに慢性疾患の治療の特徴を学びました。

ケーステイキングの肝心なところ。

アロパシー的薬の副作用のよって医原病的に複雑になった疾患の対応。

初診後のフォローアップの注意点。長い治療の経過で、あらゆる起こりうることに対しての適切な対応。

改善のときに配慮すべきこと。

患者の調子が悪化した場合、配慮すべきこと。

レメディが効かないときにチェックしなければならないこと。

患者がレメディの刺激に対して十分に反応できない、レメディの効果が患者側の都合で遮断された場合、その解除方法など。
ハーネマンと過去の名ホメオパスが慢性疾患の治療の難点をどのように考えていたのか、そしてどのように解決したのかを集中的に学びました。

勉強会の前に参加者に配ったを4つの症例を、ケース分析の練習のため、ケントのレパートリーを利用しながら、レパートライズしました。新いレメディーも習いました(Chin., Camph., Cocc., Calc-p., Mag-c.)。そしてセミナーの最後の夜は、慢性疾患で悩む患者を実際に迎えて、初診を行いました。何時間にも亘るヒヤリングをもとに、翌日、皆でそのケースを分析し、レメディーと治療方針を決めました。いよいよホメオパシー的検証と解決の理論を実際に活用していく実習に入りました。
2024年6月13日ー  17日(リトリート式セミナー、穂高養生園)
体験談(1)
体験談(2)

LIVING HOMEOPATHY 第15回勉強会
今回の勉強会のテーマは「インフルエンザ、熱を伴うきつい風邪、咳や肺炎患者の治療」であり、以下の項目を学びました。

・プラシクスに頻出する不調の治療についてのスキルアップ
・短時間で行う必要のある急性病のケーステーキング
・熱、風邪、咳の場合のレパートリーの使い方
・レメディーの迅速な見分け方
・病気で悩む患者のリードの仕方
・患者が早く元気を取り戻すためのアドバイス
・高熱のときの対応について
・インフルエンザの予防について
・インフルエンザに似た不調と深く関係する新しいレメディの紹介

インフルエンザや風邪の咳症状などは、日常生活の中で誰でも経験する急性病であり、治療者としていかに速やかに対応できるかがポイントであることを学びました。実際に電話診療で目の前に患者さんがいない時のケーステーキングを実演しながら、生徒同士で相談し、意見を出しながらレメディを考えました。ケース・スタディとしてはインフルエンザ、喉の痛み、咳、肺炎など、いろいろな症例を分析しました。レメディを決めるために、観察力、常識や直感を活かしながら、症例の一番の特徴をキャッチすることの大切さを改めて学びました。新しいレメディとして、Rumex、Kali-bi、Eup-per.、Dulc.、Ant-t.を学びました。
2023年12月8日 - 10日(セミナー、京都市)

LIVING HOMEOPATHY 第14回勉強会
今回の勉強会は、これまでに学んだレパートリーやマテリアメディカについてさらに理解を深めながら、新しいテーマとしてポテンシーについて学びました。ホメオパシーのレメディは原料を希釈・振盪して作られますが、ポテンシーはその程度を表しています。重要なのは、病んだ人に優しく素早く治癒をもたらす最適なポテンシーを選択することですが、そのためのマニュアルはありません。患者個人のSusceptibility(敏感さ、受容性)を重要視して、注意深く観察することが求められます。ハーネマンの時代から現代まで、どのようなポテンシーが使われてきたのか、高いポテンシーと低いポテンシーの違いについて、選択の際に注意することなどを理論的に学びました。また、夏をテーマにレパートリーを調べ、起こりうる不調(熱中症、日射病、日焼け、夏バテなど)を想定しながら、そうした不調の際に役立つ主なレメディについて学びました。ケース・スタディとしては炎症性腸疾患、排尿障害、精神的な不調のあるケースについて検討しました。新しいレメディとして、Verat.、Berb.、 Canth. を学びました。
2023年8月25日 - 27日(セミナー、京都市)

「LIVING HOMEOPATHY 第13回勉強会 ー 穂高リトリートセミナー 」
リビング・ホメオパシーの定番になりつつある、穂高リトリートセミナーは今年で3回目の開催になりました。今回の大きなテーマは、ホメオパシーの診察(ケース・テーキング)の原理や具体的な行われ方でした。内容の詳細については「参加者を募集」のブログや参加者の体験談をご参照ください。
2023年6月1日~5日(リトリート式セミナー、穂高養生園)
体験談(1)体験談(2)

LIVING HOMEOPATHY 第12回勉強会
レメディーの紹介(Lach.)、レメディの処方と投与方法のバリエーション。1症例のケース・スタディ(慢性咳嗽)を通して、レパートリーの使い方の練習
2022年12月18日(Zoom 勉強会)

「LIVING HOMEOPATHY 第11回勉強会 ー 穂高リトリートセミナー 」
今年も朝は庭でのタオ・ヨガからスタート。ホメオパシーの哲学について、ポソロジー(薬量学)について、ケース・スタディ、レメディについてと、毎日少しずつ勉強を進めました。ホメオパシーの哲学は広くて深い勉強ですが、今回はとりわけ治療家としての自分自身をどのように見つめ、日々育て、深いバランスを取るのかについて学びました。そのためのメソッドとして、呼吸法の練習を行いました。ポソロジー(薬量学)については、ハーネマンの記した『オルガノン』の原典に当たりながら、「早く/確実に/無害に(やさしく)」治癒するための処方について、その考え方を学びました。ケース・スタディは参加者全員が1ケースずつ担当し、事前に準備を行って発表しました。発表の際には全員が自分のレパートリーを開き、より特徴的な症状は何か、それをどのようにルブリックから広い出すのか、試行錯誤しながら学んでいき、全部で6つのケース・スタディ(薬害、下痢、髄膜脳炎、腰痛、神経痛、痔)を行いました。レメディーの紹介は、Staph.、Coff.、Apis、Ign.、Coloc.、Merc. が取り上げられました。最終日には、自分自身の自由に表現すると、目の前で起こることをニュートラルに見つめるためのワークも行いました。
2022年11月10日 - 14日(リトリート式セミナー、穂高養生園)
体験談

LIVING HOMEOPATHY 第10回勉強会
レメディーの紹介(Hyper.、Arn.)、2症例のケース・スタディ(排尿障害、膀胱炎)を通して、レパートリーの使い方の練習
2022年8月28日(Zoom 勉強会)

LIVING HOMEOPATHY 第9回勉強会
今回の勉強会のテーマは「レパートリー」。レパートリーの成り立ちと歴史、当時より現在まで使われているレパートリーの種類とその特徴、短所・長所、基本構造および症状の捉え方を学びました。ケントのレパートリー(パソコン版)を用いて具体的な症例のレパトライゼーションを行い、ホメオパスの毎日の道具であるレパートリーの使い方の練習を行いました: 症例(日本語)を丁寧に読み込み、患者の調子に関する情報を十全に把握し、その情報をレパートリーのルブリック(項目)につなげます(= 患者とホメオパスの言葉をレパートリーの語彙に翻訳します)。レパートリーの分析から浮かぶ複数のレメディーの中から、より目立つ特徴的な兆候・症状に注目し、患者に最も合うレメディーを決めます。これを、ハーネマンが書き残した有名な症例を含む計6症例のケーススタディで行い、レパートリーの基本や工夫のしかたを覚えました。並行して、大きなレメディー(ポリクレスト)である Nat-m.、Puls.、Sep.、Phos.を取り上げました。
2022年6月4日 - 5日(合宿セミナー、京都国際交流会館)

LIVING HOMEOPATHY 第8回勉強会
レメディーの紹介(Bry. Nux-v. Ip.)、など
2022年5月22日(Zoom 勉強会)

LIVING HOMEOPATHY 第7回勉強会
レメディーの紹介(Bell. Carb-v. Cham.)、など
2022年4月10日(Zoom 勉強会)

LIVING HOMEOPATHY 第6回勉強会
レメディーの紹介(Ars. Acon. Rhus-t.)、など
2022年2月27日(Zoom 勉強会)

LIVING HOMEOPATHY 2022年度のスケジュール
ブログ参照

LIVING HOMEOPATHY 第5回勉強会
「癒やすこと、癒されること。治療家になるためのホメオパシー入門セミナ一」
2021年10月21日 ー 25日(リトリ一卜式セミナー)
体験談(1)体験談(2)

LIVING HOMEOPATHY 第4回勉強会
「救急医療に生かすホメオパシー」
2020年11月21日 ー 22日(ウイークエンドセミナー)

LIVING HOMEOPATHY 第3回勉強会
「COVID-19 を手がかりに、ホメオパシーによるインフルエンザや肺炎患者の治療」
2020年5月23日14:00ー17:00(ウェブセミナー)

LIVING HOMEOPATHY 第2回勉強会
「ホメオパシーと予防接種」
2020年3月14日 ー 15日(ウイークエンドセミナー)

LIVING HOMEOPATHY 第1回勉強会
「要介護や終末の患者のためのホメオパシー」
2019年11月2日 ー 3日(ウイークエンドセミナー)

Living Homeopathyに参加したい方へ

ここまでのご案内の中でひとつでも心に響くものがある人は、ぜひLiving Homeopathyへの参加をご検討ください。 学んだ流派や学校は問いません。メールにて、勉強会の案内をお送りさせていただきます。

問い合わせ先:リビングホメオパシー事務局
living@ew-homeopathy.net