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2024年の穂高リトリートセミナー ・参加者の体験談(2)
リトリート式勉強会に参加するのも4回目となりました。当初は、開催場所の「穂高養生園」に魅かれて参加しました。ホメオパシーのセッションを受けたり使ったりしたことはなかったのですが、ホメオパシーについてはドイツの友人から聞かされて馴染みがあり、以前から学んでみたいと思っていました。
2021年の1回目のリトリート式勉強会に申し込む際に、初心者が参加できるものなのかをエルマーさんにたずねたところ、入門編だから大丈夫だという返事を頂きました。勉強会までに、受けなくても良いが一度セッションを受けてみるのも良い経験だと思うとアドバイスされ、受けてみることにしました。3時間程のセッションでは、生まれてからの自分を振り返ったり、それを人に話したりという初めての体験をしました。独特の繊細な質問に応えるうちに、忘れたように思っていた「気掛かり」を見て取ることにもなりました。困るような自覚症状は無いと思っていたのですが、レメディはその「気掛かり」を刺激したのでしょうか。心身ともに色々なことを跳ね返せる、弾力のあるボールのようになっていることに気付きました。リトリートに参加して共に勉強する仲間に出会えたことや、今も身に沁みて思うことですが、エルマーさんを通じてハーネマンの息吹を感じられるようになったことも要因だと思います。

今年度の勉強会で私たちは、いよいよ慢性疾患を学ぶことになり「ホメオパシーにおける、慢性疾患の治療の重点」がテーマでした。慢性疾患とは?徐々に始まる、大きな要因が絡んでいる、根が深い、いつ治るかわからない、診断はこれか、あれかと不正確で検査でもつかみにくい、患者は自己管理が必要で治療者はパートナー的にやり取りをして行く必要がある、完治までの道のりが長い、「難病」とも言う…。
一つのきっかけや単純な原因で明らかに表に症状が現れてくる急性疾患とは違い、長くゆっくりとした経過の慢性疾患では、辛さや背景、生命力の弱り具合も随分と違い、治療者の向き合い方や観察も一段と丁寧さが必要になってきます。
今回もハーネマンのオルガノンや慢性病論をベースに、慢性疾患の治療の特徴を学びました。「治療の経過で起こりうる、反応とその対応」については、4日間を通して具体的に勉強しました。改善のときに配慮すべきこと、悪化のときに配慮すべきこと、レメディが効かないときに考えられること、レメディの効果の遮断について話がありました。ハーネマンがそれらをどのように考えていたか、オルガノンから学びました。ひとりひとりに、臨機応変に、ハーネマンは応じていたのだとその姿が目に浮かびました。

私は35歳から看護師として働きはじめ、病棟で慢性疾患の患者さんと過ごした経験があります。検査結果から診断名がつき、絶望や動揺している人が殆どでした。ひとりひとりはこんなにも好きな物や嫌いな物、家族状況、職業、悪くなる時や良い時のタイミング、食べ方や好みなど様々であるにも関わらず、患者さんからの情報聴取の方法や治療方針は個別的ではないのだなと感じていたことを思い出します。またそのことが、少なからず絶望や動揺に関係していると感じていました。
標準の治療ガイドラインも知っているけれど、ホメオパシーのような経験の医学が存在することも認められれば「この人にとっては、私にとっては、これを緩和したい」「今はこれを優先したい、入院せず家に居たい」など、患者さん自身が選択し、生き方の質を変えて行けるのではと思います。それは自分で病を治す力に通じて行きます。更にはケアする側が抱える矛盾や無力感にも日が差すことになるではと思います。
人間はみんな病気になり得ます。その際に色々な手段があり、選択肢のひとつとしてホメオパシーの療法が考えられるように、可能性を伝えて行きたいと思うようになりました。
リトリート最後の夜には、一人の患者を迎えて、勉強として何時間を渡って、実際の慢性疾患で悩む患者の初診を行いました。リアルなセッションを目の当たりにすることができ、話ができる雰囲気づくり、治療者の態度、質問の内容やタイミング、傾聴すること、ありのままに患者さんの人生に触れることが大切であると、自覚しました。貴重な体験をさせて頂き感謝しています。
早川千茶


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