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コロナ展望録。その8
去年、新型コロナウイルスが発生したころは、そのウイルスに対する薬も、そのウイルスが引き起こすCovid-19の治療にも特効薬がなかったことが、「非常に危ないウイルス」「特別に危険な病気」というイメージに貢献しましたし、大きな不安の一つでした。発生から一年が経った今でも、まだ特効薬は見つかっていません。おそらく、これからも見つからないでしょうし、開発不可能でしょう。どんな病原体だろうが、またどんな病気であろうが、科学の薬で助かるはずだと思う人にとっては、この言い方は非常に悲観的に聞こえるかもしれませんが、まぎれもない事実です。

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孔子が書いた論語の中に、こんな有名な話があります:孔子は「あなたが大臣だったら、まず何をしますか」と尋ねられたところ、こう答えました。「言葉が現実に合うように、名前を正します(正名)」なぜなら、言葉が正しくなければ、言葉の意味が混乱します。言葉の意味が混乱すれば、何事もできなくなってしまう(名不正、則言不順、言不順、則事不成、事不成)。 国を治めることと病気を治すことは多少違いますが、政治と同じように医術も言葉が正しくないと、何事もできなくなってしまう危険があります。これから、数回に亘り、このブログで、医療における言葉の使い方の順当さについて考えたいと思います。今回はまず、「治療と治癒の違い」についてです。

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従来の近代医学が用いる薬剤には(ほとんどの場合)、一定の毒性のある化学的な作用物質が含まれています。その作用物質が人体の病的な局部や、脱線した機能に直接与える影響を目的として投与されます。 たとえば:男性(もしく女性)ホルモンの分泌を抑えるためのホルモン剤。傷口に増えすぎた菌を殺すための抗生剤。免疫力を抑えるためのステロイド。体の炎症反応を抑制するための抗ヒスタミン剤。痛みの伝達に必要な酵素の生産を止めるための鎮痛剤。脳細胞の伝達を弄る(妨げる、または進める)ための向精神薬と睡眠剤。血管を広げるための降圧剤。腎臓の中の水の再吸収を抑制するための利尿剤、などなど。

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