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2025年の穂高リトリートセミナー ・参加者の体験談 (2)
穂高養生園でのリトリート・セミナーは、今回5回目を迎えました。11月の時期、遠くに見える頂はすでに白く、養生園周辺の紅葉の色鮮やかな様子もすばらしいです。晩秋の山の澄んだ空気に触れ、高い青空を見上げると、心がすっきりします。

今回のテーマは妊娠と出産でした。自分には妊娠・出産の経験はなく、学ぶ内容を自分の体験と直接結びつけられませんが、人がこの世に生まれてくるこのテーマだからこそ、生命力や自然とのつながりをあらためて理解できたと思います。
妊娠から出産まで・出産・産後のケアにおいて、妊婦の精神面・身体面でホメオパシーができることが実に多くあることに圧倒されます。ホメオパシーは、19世紀から現在までに至るすぐれたホメオパスによる人間の観察と治療、自分たちで実際に摂取してその効果を確かめながら積み上げてきたレメディの知識に立脚しています。今回はW. A. Yingling, The Accoucheur’s Emergency Manual (Philadelphia: Boericke & Tafel. 1895) の一部を参照しました。緊急の場合にこそ自然が明確に語りかけてくる、症状がはっきりと現れ、ホメオパシーのレメディがより迅速に作用する、と導入部分に記されています。経験に裏付けられた知識や知恵が、書物を通して現代の私たちに生きたものとして届く、このことにつながりを感じ、安心感も覚えます。
セミナー第一日目に、妊娠は一種のすぐれた健康である、と教えられます。妊娠中は慢性の症状が出なくなるそうです。しかし、この数十年で妊娠・出産に対する考え方が大きく変化し、従来は妊婦と助産師、家族で成立していたものが、病気同様に医学の領域に位置付けられるようになりました。今日妊婦は定期的に病院に通い検診を受け、出産も病院ですることがほとんどです。様々な理由から、検査、帝王切開、出産時期のコントロールなど、技術的な管理がなされます。しかし本来、出産をリードするのは医師よりも赤ちゃんと妊婦であり、出産の瞬間、つまりくるべき時がくれば、母と子はなにをすべきかよくわかっている、あとは自然のリズムに身を委ねるだけ、という話も強く印象に残りました。妊娠初期から出産までのプロセスで、ホメオパシーは妊婦と赤ちゃんを優しくサポートし、さまざまな問題を解決できます。産後も同様です。
最終日は、学習したばかりのあるレメディをもとにした「演劇」で締めくくられました。養生園新棟のテラスで、13世紀のペルシャの詩人ルーミーの詩を、ひとりが朗読し、残りの人は観客として耳を澄ませます。それぞれ異なるアプローチによる朗読パフォーマンスが行われ、驚きと笑いで幕を閉じました。
山口真樹子

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