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2023.07.05

2023年の穂高リトリートセミナー ・参加者の体験談(1)

‘21年から学びはじめ、今年も Living Homeopathy リトリートセミナーへ参加することができました。

今回のリトリートセミナーの大きなテーマは CaseTaking(診察の方法・大切さ)について。その人にとって的確なレメディーを見つけるために、その人の話に耳を傾けながら、抱えている症状などを聴き取り、あるいはその人自身を丹念に観察し、ホメオパス自身の先入観が入らないよう情報を集める。その重要性や注意点などをハーネマンのオルガノンを読みながら学びました。

ホメオパシーのセッションは症状の聞き取り方が独特です。体の痛みにしても、どこがどのように痛いか。だけではなく、立った状態の方がラクか、冷やした方が良くなるかといったような、特定の姿勢・環境・行動での症状の変化など、今まで考えてもみなかった切り口で質問されます。そのような視点から自分の症状を観察したことがないため、私自身、診察時に聞かれる質問になかなかうまく答えられないことがあり、そういた自身の体験からも、ヒアリングの難しさを感じます。しかし、日常にも活かせる要素が多々あり、普段の他者とのコミュニケーションにも取り入れていけたらと思います。

私はもともとアレルギー体質でしたが、大人になってから、突然次々と色々な食材に対してアレルギーを起こすようになってしまいました。気が付けば数年間のうちに、ナッツ・そば・貝類・ゴマ・大豆・柑橘類などなど、自分でも増えすぎて分からなくなりそうなほど。症状やその強弱も食材によって、食べると気を失いそうになるものから、喉の閉塞感、腹痛、頭痛、吐き気、などなど様々でした。

以前からホメオパシーという療法があることは知っていて興味をもってはおりましたが、海外の体験者のブログなどを見て、ホメオパシーならアレルギー体質を改善する助けになるのではないかと思い、エルマーさんにセッションを申し込んだのが、私が本格的にホメオパシーを体験する始まりでした。

リトリートセミナーで滞在する穂高養生園様でいただくお食事は、丁寧に愛をこめて調理されていて、本当に力があり、元気を与えてくれます。本来の食事の目的である、食養・生きるためのもの、ということを思い出させ、その土地・その季節の旬の食材の命をいただき、生かしていただいていることを実体験させてくれます。そして、アレルギー症状の起きない食材を適当に(粗雑に)摂るようになっていた私に、自分が食べられる食材だけでも、こんなにも素晴らしいお料理ができるよ!と、まだまだ色々な食事を楽しめる可能性を教えてくださいました。

ハーネマンは、(慢性の)病気とは、人が本来持っている生命力の自然なバランスが崩れ、調和のエネルギーが乱れてもつれてしまうこと、と説いています。レメディーはそのもつれを解きほぐす手助けをしてくれるもの。もつれを解いていくには、自身を見つめなおし、ついおろそかにしてしまっていた日々の小さな営みのひとつひとつを丁寧にして、自分と対峙しながら、自ら解いていかなければならない。その過程で小さな手間の積み重ねの大切さを実感させられるとともに、時には生きていくことのしんどさ・厳しさも突き付けられ、逃げ出したくなることもあります。そのような時でも、エルマーさんは(セミナーで学ぶ皆さんも)良い悪いなどの判断をせず、そのままの状態を中立に受け入れて見守ってくださいます。

私にとって、穂高養生園でのリトリートセミナー全体が、レメディーのようなものであり、ホメオパシーの知識を学ぶだけではなく、“生きること”を学ぶ場でもあり、癒す場になっております。私自身が海外の体験ブログをきっかけにホメオパシーを見つけたように、少々おこがましいですが、いつか私の治癒体験が、同じようにアレルギーなどで悩む誰かの癒しへの糸口のひとつとして還元できるよう、これからもホメオパシーを学び続けていきたいと思います。

青木百合子