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発熱について(5)ウェットソックスのおすすめ
熱が出た時、熱がもたらす有益な治療効果を高めるために、そしてその経過を促進するために、ウェットソックス(濡らした靴下)という方法があります。熱が出そうな時にも、もちろん使えます。家庭内で、子供にも大人にも、簡単に適用できます。
ウェットソックスは、水治療法(hydrotherapy、ハイドロセラピー)の分野に入る処置です。水治療法は、ちょっと誤解を招きやすい用語です。より正確に説明すると、水治療法は、冷水か温水を用い、その温冷の適用を通じて、疾患を治療する療法です。特定の体の部位を冷やすないしは温めることで、その温冷の刺激を通じて血液循環や新陳代謝を活発化させます。これにより、身体の治癒能力を高める、自己治癒力をより活性化する療法が水治療法です。血液とその循環を、生命と健康の守り手として生かす療法です。
水治療法は、19世紀にアメリカとヨーロッパで非常に盛んに行われました。それに特化してたくさんの疾患を効果的に治療した、大きな病院がたくさんありました。主に化学的な薬に頼る近代医学の発達に従って、水治療法の深い知識や経験は、その大部分が忘れられてきています。水治療法の原理と応用についてもっと知りたいなら、こちらの本がおすすめです。W.Boyle/A.Saine, Lectures in Naturopathic Hydrotherapy, Ohio 1988(PDF)
さて、ウェットソックスはどのように行うものでしょうか。
コットンの靴下を冷たい水(夏でなければ水道水の温度で結構です)に浸します。そして、水がぼたぼたと落ちないように、少し絞ります。その靴下を両足に履き、その上からウールの靴下を履きます。ウールの靴下は薄手か厚手、どちらでも結構です。そのまま寝ます。
濡れた靴下は、最初、少し冷たく感じられます。その冷たさの刺激を受けて、自然治癒力が足を温めるため、血液循環を活発させて、治癒を促進します。血液循環が良くなれば、熱の治癒効果が深まり、より早く元気になります。通常、足が速やかに温かく、場合によってはとても温かくなります。濡れた靴下自体は(熱の高さにもよりますが)、早ければ1-2時間、微熱の場合3-4時間で完全に乾きます。
ウールは、湿気の通気性と保温効果に優れている繊維ですので、コットンの靴下の上からウールの靴下を使います。そうすることで、ベッドが濡れてしまうこともありません。
コットンの靴下の厚さを変えることで、蒸発する水の量や、刺激の強さを調整できます。基本的に元気な大人や子供、また高熱の場合は、やや厚めのコットンの靴下を選びます。どちかというと病弱な人、刺激を優しくしたい場合には、薄手の靴下が適しています。とてもデリケートな人の場合、コットンの靴下を部分的に(踵から)濡らすという手もあります。足の病的な冷えに悩む人なら、ウェットソックスを履いた後で、ふくらはぎを4-5分間マッサージすることをおすすめします。
ウェットソックスは熱の促進だけではなく、風邪の予防、冷え性対策などにも使えます。上記の Lectures in Naturopathic Hydrotherapy を引用します:「夜に濡れた靴下を履くことで(中略)風邪やインフルエンザに対する免疫力が高まり、エネルギーやストレス耐性が向上し、精神的・身体的なパフォーマンスも改善されます」(p.209)。
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