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スペイン風邪とホメオパシー
インフルエンザ予防接種の賛否(3)
インフルエンザはホメオパシーにとって、厄介な病気ではありません。インフルエンザの危険性や有害性、その効果的な治療について、ホメオパシーと近代医学の考え方は大いに異なります。ホメオパスにとって、インフルエンザは特に恐るべき病気でも絶対に避けなければならない病気でもないし、その治療は他の感染症の治療と比べて特別に厄介でも複雑でもありません。
ではなぜ、近代医学はインフルエンザを恐るべき、困った病気として考えるのでしょうか?多くのウイルス性呼吸器感染症と同様、インフルエンザウイルスに対する有効で安全な予防接種はありません。また発症した場合、有効な治療薬や治療マニュアルも確立されていません。多くの細菌感染症にはそれに効く抗生剤という武器がありますが、インフルエンザウイルスに対しては、似たような効果的な武器がありません。ウイルスの増殖を抑える薬として、病院が時々、タミフル、リレンザなど抗インフルエンザ薬を処方しますが、それらの副作用のリスクと効果のベネフィットのプロファイルがあまり良くありません。このため、インフルエンザの治療は症状の緩和に限られています(解熱剤、咳止めなど)。つまり、ウイルスの種類の確実な診断以外に、インフルエンザに対して近代医学ができることは極めて少ないのです。
「恐るべき感染症」というインフルエンザのレッテルには、1918年から1920年に全世界で流行した、スペイン風邪の記憶も大いに関係しています。スペイン風邪は、当時の世界人口の約3分の1が短期間に感染し、約5,000万~1億人が死亡したと推定されており、20世紀の最も致死的なパンデミックとして位置付けられています。通常のインフルエンザと異なり、特に20~40歳の健康な若年成人において異常に高い死亡率を示しました。近年の研究が指摘しているのは、近代医学はスペイン風邪から患者を守ることができなかっただけではなく、その処置自体が高い死亡率の一つの要因だったということです。当時の主な治療はアスピリンの投与でした。
当時、標準的な治療マニュアルとして推奨されていたサリチル酸製剤(アスピリン)の量は、1日 8〜31gでした。現在の知見では、これが毒性であるとはっきりわかっています。死亡者の病理解剖の結果を見ても、高い死亡率の一部が、極めて大量のアスピリン投与(サリチル酸中毒)に起因する死、つまり医原性の死亡だったと思われます。「死亡例のかなりの割合がアスピリンに起因していた可能性がある。」(PDF、リンク)ちなみに、コロナ禍においても、似たようなことがありました。(上記のブログを参照)
スペイン風邪において、ホメオパシー医師たちのパーフォーマンスはどうだったでしょうか?「Homeopathy in Influenza – A Chorus of Fifty in Harmony」(インフルエンザにおけるホメオパシー――50人の臨床家による調和のコーラス、PDF)という有名な論文があります。ミシガン大学に所属していたアメリカのホメオパシー医のW.A. Deweyが、1921年5月に The Journal of the American Institute of Homeopathy に出した調査結果です。アメリカのあらゆるホメオパシー病院や医師ら約50人の臨床家の治療経験をまとめた論文です。歴史的な体験報告として、貴重な論文資料です。それによると、ホメオパシー治療を受けた患者の致死率は、近代医学の治療を受けた患者と比べて、圧倒的に低かったのです。この論文を読むと、アスピリン過剰摂取の有害性について、当時のホメオパスが観察を通して最早気づいていたことも伝わります。
これに関連して、アメリカのフィラデルフィアを拠点に活躍したホメオパス Raymond Seidel (1908-1980)の子供の頃の思い出は、とても印象的なエピソードです。「Raymond Seidel は、10歳の頃、地元のホメオパスのもとで配達の仕事をしていた時に、ホメオパシーの医師になろうと決心したと話していました。彼はこう言いました。『アスピリンを飲んでいる人たちは亡くなっていき、大量にウイスキーを飲んでいる人たちも半分くらいは亡くなっていったのに、ホメオパシーのレメディをもらっていた人たちは生きていたのです。』」( J.Winston, The Faces of Homeopathy, Wellington 1999, p.237)
ホメオパシーの治療効果には、二つの長所があります。まず、ホメオパスは患者の生命力を弱めてしまうような毒性のある薬を使いません。レメディーのもとになる素材に毒性があっても、それがレメディとして使われるときには、その毒性が完全に消えた、高度に希釈された状態になっています。そして、ホメオパシーは病原体や病気と敵対して戦う方法ではなく、病人の生命力と自然治癒力を応援するというアプローチを選んでいます。なぜなら、それが患者の治癒にとって最も速やかで効率的だからです。
次回のブログはホメオパシによるインフルエンザ治療が基づいている、ホメオパシーの基本的な原理について書きます。
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