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医療費の増加の背景にあるもの(1)
9月の終わりに日本の厚生労働省が2010年度の国民医療費を発表しました。(厚労省のHPを参照)
過去最高の34.8兆円に上ったそうです。1989年度(平成元年)の19.7兆円と比べれば、21年で75%増えました。全人口の一人当たり、27万2600円になります。日本の国民所得に占める国民医療費の割合も過去最高の9.90%に上昇しました。
(図)国民医療費と対国民所得比の年次推移(厚労省のHPより)
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他の生活費の増加に比べ、余りにもかけ離れた、止めようがないようにみえる医療費の膨らみ方の背景として、以下の原因がよく挙げられています。
高齢化に加え医療技術の高度化が進んだ影響が大きいという。
(朝日新聞)
高齢化や診療報酬の引き上げ、医療技術の高度化が主な要因。
(時事通信)
高齢化が進んだほか、医療技術の進歩を受けて治療費が膨らんでいることが主因。(毎日新聞)
そう聞くと、「なるほど」「当たり前」「しようがない」と思われますが、私には「あれ?」と引っかかるところがあります。ここで原因についてもう少し考えてみます。そして最後にもう一つ、とても単純だけれども、普段にあまり論じられない原因を指摘したいと思います。
----------- 高齢化 -------
高齢化は確かに医療費の増加に大きく関係しています。厚生労働省が発表した、年齢階層別の医療費を見ると、65歳未満が15万8900円、65歳以上は67万3400円に達しています。もちろん歳を取ると、生命力と治癒力が衰退し、多少病気になり易い身になりますが、65歳以上になると、65歳未満に比べて病気が4倍以上増える、と聞くと驚きます。
私の周りには、若者より遥かに元気はつらつに活躍している年配の方がたくさん居ます。必ずしも「歳をとる=病気が増える」ということではないと思います。
もしかすると、高齢者の高い医療費の背景に、病気の増加だけではなく、マニュアル化し過ぎた医療がもたらす、コストがあるのではないでしょうか。病気を発見した突端、患者さんの意志はともかく、可能なことを全部やっちゃうとなる。今の医療制度は、延命的な処置を最大の目的に取り上げ、医学的、技術的に可能な、最大な処置を選ぶ傾向が強いためです。
もちろん、この世を去るときが近づいても、腫瘍を手術で切り取ることが出来ますし、抗ガン剤も放射線療法も加えることができます。ただこの処置によって、その患者さんのクオリティ・オブ・ライフがどこまで増えるでしょうか。晩年の過ごし方がより充実するのか、より人間らしい死に方が可能になるのか。そいうことを考えない医療は、人間のための医療ではなくて、ただの医療のための医療になります。そして、このコストが年々高くなっているのです。
高齢者の病気のことを考える時に、忘れてはいけないもう一つの大事なことがあります。65歳を超えて発病した、多くの病の根っ子と原因は、昔の若い頃の生活スタイルにあるということです。(例えば、糖尿病、循環器不全など)。昔の生き方の結果として、現れてくるのが病気です。ですから、病気になって慌ててその修理に励むより、病気にならないように努める『予防医学』に力を入れた方がよっぽど賢くて、おそらく安く済みます。こういう少し先を見据えた、人生の傍らにある、医学として、ホメオパシーは多いに貢献できると思います。
次の掲載は、医療費医と医療技術の進歩との関係を考えてみましょう。
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