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1833年に出版されたオルガン第五版の前書きに、これまでの医学(アロパシー医学)と薬について、ハーネマンは以下のよう書いています。「従来のアロパシー医学は、投与している薬の長期的な、多くの場合恐るべき影響を知らない。そして色々な作用物質を混ぜて同時に治療に使うことによって、その影響をわざわざ分からなくするようにも見える。こういった強い薬を、多くの場合長期間、頻繁に繰り返し、大量に投与することによって、従来のアロパシー医学は患者の身体を傷めつける。さらに長年にわたる使用によって身体に、場合によっては、根絶できない新たな病気を植え付ける。」もちろん、ハーネマンがホメオパシー医学を形にした19世紀初頭に、アロパシー医学が治療に用いた薬剤と、近頃の製薬会社が近代医学のために作っている薬は大いに違います。1800年頃にヨーロッパで使われた薬剤は主にハーブの抽出物や自然界にある毒物(砒素、水銀、硫黄、阿片など)を素材にして、医師や薬屋が工房レベルで作られたのに

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『Better Health Brighter Future』をスローガンに掲げる、アジアで最大規模の製薬会社「武田薬品」が、アメリカで薬害責任を問われた裁判で、原告側との和解に応じたというニュースが4月の終わり頃に報道されました。「大手製薬会社の「武田薬品工業」は、アメリカで販売した糖尿病の治療薬が原因でがんになったとして患者などから損害賠償を求められている訴訟で、原告の団体と和解に向けて合意したと発表しました。和解金などの費用は3.200億円余りに上り、日本企業が巨額の和解金などを支払った事例としては過去最大規模とみられます。」(NHKニュース, 2015-4-29) タケダは会社の立場を以下のように説明しています。「当社は、本訴訟における原告側の主張には根拠がないものと考えており、当社の法的責任を認めるものではありません。また当社は、アクトスに関し責任ある対応をしてきたと確信しており、…アクトスは良好なリスク/ベネフィット・プロファイルを有する治療薬であると確信しています。」

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コレステロール神話の崩壊(前回のブログを参照)は、日本より海外のほうが進んでいます。日本にもコレステロール低下の医療的必要性を批判する専門家は増えていますが、その声や研究発表は(昔の反原発の研究者や運動家とよく似たように)まだメインストリームの医療、患者と医者の常識には届いていません。もっと興味のある人のために、このブログに日本語の資料編を載せます。親戚や知り合いでコレステロール値低下のためにスタチン薬剤を飲む人がいれば、この情報を教えてあげて下さい。どうぞご自由に活用ください。 「スタチン、心臓病予防に有効なの?学会調査では効果なし」(PDF) という見出しで、朝日新聞は2014年9月に脂質栄養学会理事の奥山治美氏の調査結果を紹介しました。奥山治美氏は、1990 - 2008年までに行われたスタチン剤の効果を確かめるため、16件の臨床研究を調べました。それによりますと、「効果なし」という結論に至った研究は、全て製薬会社から完全に自立している研究グループによって行われた一方、「効果あり」と発表した研究プロジェクト

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福島第一原子力発電所の事故をきっかけに、日本人の「現代の神話」に対する意識は、随分と敏感になりました。原子力のメリットとデメリットについて、他国では盛んな討論が行われましたが、日本では、問題を指摘する研究者や技術者がいながらも、莫大なお金を動かす「原子力村」が原発の色々な問題点(放射能の危険性、使用済み核燃料の保管、原発の経済性など)について、ディスカッションが国内に広がらないように動きました。その結果、「原発は安全で経済的だから、特に問題にしなくて良い」と言う神話(メルヘン、または嘘といっても良い)が多くの日本人の意識に刷り込まれてしまいました。 電力業界と同じく、莫大なお金が動いている医療の世界にも、この類の神話はたくさんありますが、多くの場合、医療に於ける神話の有効期限は、原子力神話と同様に、欧米より日本の方がうんと長いようです。ヨーロッパやアメリカで、長らく(ときに何十年間も)医療関係者の間で常識とされていた神話が経験や新しい研究によって崩壊しつつあっても、日本の医療では、なお根強く生き続けているケースがあります。そのひとつが「コレステロールの低下の意味と必要性」の物語です。

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