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発熱について(2)熱性痙攣と熱中症
前回のブログで(リンク)紹介したように、発熱は、体が病気を早く乗り越えるために自ら起こす免疫反応ですので、有益であり、基本的には体に害をもたらすことができません。確かに、熱、特に高熱はしんどく感じることが多いですが、怖がるべき、抑えるべきものではありません。
熱の時、親の大きな心配のひとつは熱性痙攣です。熱性痙攣を起こす子供を初めてみると、パニックになりやすいのは当然です。子供の手足が硬直し、その後(あるいは交互に)、手足ががくがく震える。意識が朦朧とし、声をかけても、名前を呼んでも、通常のように反応しない。目の焦点が合わなくなり、あるいは眼球が上転し、白目を剥く。(珍しい症状として、唇や顔が紫色に変色する、嘔吐、失禁、脱力などもあります。)自分の子供がこの状態になると、親はすぐ救急車を呼び、ないしは子供を救急外来に連れて行きます。ほとんどの場合、この痙攣状態は 2〜3 分で自然に治ります。(たまに 20-30 分続くこともあります。)病院に着くまでには、何事もなかったかのように痙攣が治るケースが多いです。熱性痙攣になった時あるいはなりそうな時、すぐに経験のあるホメオパスに連絡し、必要なレメディーを子供に投与することができれば、状況はより早く落ち着きます。が、日本ではホメオパシーとそうした繋がりを持つ家族はまだ稀です。
実のところ、熱性痙攣については未だ知られていないところが多いです。発熱の時、およそ 4-5%の子供に熱性痙攣が起こります。熱性痙攣の発作が起こるのは、主に生後 6 ヶ月から 5 歳までの小さな子供です。高熱のみならず、さほど高くない熱の時にも起こることがあります。熱性痙攣を起こしたことのある子供の三分の一程度は、次回の発熱時にも熱性痙攣を繰り返す可能性があります。予防的に解熱剤を飲ましても、これを避けることはできません。(PDF)熱性痙攣の原因やきっかけはまだわかっていません。熱性痙攣の背景の説明としてよく目にするのは、急激な体温の上がり方に小児の脳が慣れていない、特にその時体内で起こりやすい温度差に一時的についていけないといったものです。
なぜ熱性痙攣について大きな不安を抱くのかと親や介護者に聞くと、多くの場合、発達中の小児の脳に取り返しのつかない害を与えるのではないか、という回答が返ってきます。熱性痙攣がてんかん(癲癇)という病気の元になるのではないかという不安です。医学のエビデンスからすると、そういう心配には根拠がありません。普通の熱性痙攣がてんかんのリスクを上げる、あるいは脳の発達を邪魔することがないことは、医学的な経験が示しています。まれに起こる、非常に複雑な(30 分以上続き、24 時間の内に何度も繰り返される)熱性痙攣の場合は、てんかんになる可能性が少し上がります。ただしこの場合は、熱性痙攣がてんかんの原因ではなく、逆に、潜在的にてんかんの傾向があるために熱性痙攣が複雑になると考えられます。まとめると、熱性痙攣の発作は見ていて恐ろしいものですが、一般的には子供に害をもたらさず、予後に影響はなく、てんかんを引き起こすこともありません。(Perplexity の答え、PDF、PDF)
発熱時に唯一気をつけなければならないこと、それは熱中症です。自分の欲求を自分で表現できる、たとえばかけ布団を跳ね除けられる子供には、そうした恐れがありません。しかし、たとえば老人施設で、冷房のない部屋で、自分のことを表現できず自由に動くことができない高齢患者の場合、長く続く高熱が熱中症を起こす可能性があります。体温調節を司る脳の視床下部(hypothalamus)が認知症により正常に働かなくなった場合、また同じ理由で発汗機能が低下した場合に、発熱時の体温調節は難しくなります。服用している薬の副作用によっても、体温調整が働かなくなることがあります。ともかく高齢者の場合は、熱中症によって患者がいっそう弱ってしまわないように、介護者がケアしなければなりません。
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