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コロナ展望録。その4
知らないものに初めて出会うと、人はそれを理解、把握するために、前から知っているものと比較します。新型コロナウイルスとそのウイルスが引き起こせるCovid-19という疾病との比較対象として、一番よく使われているのは「インフルエンザ」です。ところが比較の結果を聞くと、その結論の違いに驚きます。「よく似ている」と言う人もいれば、「大いに違う」と言う人もいます。なぜこのような正反対の結論になるのでしょうか?

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コロナ展望。その3
家族の者や親しい人の死は、ほとんどの人が個人的体験として知っているし、その死のリアリティも具体的に感じています。それと違って、人の死を抽象的な数のメガネを通じてみるのは、殆どの人が慣れていません。そのため、その数字が実際に何を意味にしているのか、それが多いのか少ないのか、比較や判断するためのメジャーも持っていません。「コロナ死者」と比較できるように、これから長い説明を抜きに、ランダムにいくつかの別の死者数を紹介します。

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コロナ展望録。その2
新型コロナウイルスの広がりが明らかになってから、全世界では毎日、死亡者、感染者の数が報道されています。オリンピックのメダル受賞数のランキングのように、感染者数の大小、あるいは死亡者数の大小で国や地域が並んでいます。この数字やランキングを通じて、我々に何を伝えようとするのでしょうか?コロナウイルスの危なさをアピールするものなのですか?それそれの国や地域の民度や政治家の頭の良さを表すものなのですか?
僕にとって、この数字のすべての関連、背景、コンテクストが一切抜けているので、まるで間の抜けた情報にしか見えません。そしてそういう数字を元に、自分の個人的態度、あるいは国レベルの対策を決めようとするのは、あまり賢明に見えません。間が抜けた数字を元にすれば間の抜けた対策しかとれません。

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コロナ展望録。その1
昨日、郵便局へ行ってきました。窓口の長い列に並んだ時のことです。振り返ってみたら、僕の後ろの人が3メートル離れて待っていました。マスクをつけていない僕の顔を見て、不安になったかもしれません。最近買い物に出かけても、笑顔がほとんど見えなくなり、笑い声がもう聞こえません。マスクの後ろに隠れた人、その顔の表情を伺ってみると、神経質な緊張感、恐々とした気持ちや心の疲れが伝わってきます。新型コロナウイルスがどこにでもあるように、自分を守りたいという気持ちは、周りの人たちを潜在的な敵に変えてしまいます。不安と不信で満ちた空気がだんだんと濃くなってきました。まるで手で掴めそうな勢いです。この不安や不信に取り込まれないようにするには、かなりの努力が必要です。

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