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コロナ展望録。その11
新型コロナワクチンの接種キャンペーンを張る理由はどこにあるのか、もう一度思い出してみましょう。一般的には以下のように言われています。すなわち、新型コロナウイルスへの感染によって、重症化し、死に至るケースが多いので、死亡者数を減らし、医療システムの逼迫を避けるために、広くワクチン接種が必要である、という主張です。
今回、新しく開発されたワクチンがこの目的にどの程度貢献できるのか、ワクチンの出来栄えはどの程度のものなのか。国が公に発表したデータや資料を元に考えたいと思います。(ワクチンキャンペーンが進んでいる他の国々の様子から見えてくることについては、また別のブログで書くつもりです。)

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コロナ展望録。その10
新型コロナウイルスに対するワクチンは、これまでとは違う新型ワクチンです。最近開発された、史上初めて人間に使われる新しいタイプのものです。まず従来のワクチンとの違いを簡単に説明します。これまでのワクチンと予防接種では、弱毒化された病原体(生ワクチン)または死滅させた病原体や病原体の一部(不活化ワクチン)を体内に注射します。体は、外から来るこの未知の侵入者に反応し、その反応によって病原体に対する特異的な免疫を獲得することができます。

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コロナ展望録。その9
新型コロナウイルスが発見されてから一年以上が経ちました。この新しいウイルスは世界中で広がり、他のたくさんの呼吸器系ウイルスと同様に、人類と共にある存在として自らを確立し、それなりに落ち着きました。その一方でまだ落ち着いていないのは、この新しいウイルスに対する人々の不安と、その不安に振り回される生活です。新型コロナウイルスに関するマスメディアの報道は、相変わらず誇張と偏向に満ちており、このことは去年の春と大して変わったところが見受けられません。世界中の政治家たちはウイルスを封じ込めようと躍起になって、不器用で残念な政治的判断を繰り返し、そのご都合主義的な政策によって、人々の気持ちと生活は翻弄されっぱなしです。

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コロナ展望録。その8
去年、新型コロナウイルスが発生したころは、そのウイルスに対する薬も、そのウイルスが引き起こすCovid-19の治療にも特効薬がなかったことが、「非常に危ないウイルス」「特別に危険な病気」というイメージに貢献しましたし、大きな不安の一つでした。発生から一年が経った今でも、まだ特効薬は見つかっていません。おそらく、これからも見つからないでしょうし、開発不可能でしょう。どんな病原体だろうが、またどんな病気であろうが、科学の薬で助かるはずだと思う人にとっては、この言い方は非常に悲観的に聞こえるかもしれませんが、まぎれもない事実です。

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コロナ展望録。その7
前回のブログでは、イタリアを手掛かりに、新型コロナウイルスの流行がどんな環境やセッティングの中で、危なくなりうるのかを見てきました。今回は視線を変えて、どんな人にとって危なくなりうるのかを見ましょう。イタリアで新型コロナウイルスが流行り始めてから、イタリアの国家公衆衛生研究所 (Istituto Superiore di Sanità, ISS) に属している Epicentro 研究所が、イタリアにおける新型コロナウイルスとの関連で亡くなった患者の特徴について、2週間毎に細かいレポートを出し続けています(Characteristics of SARS-CoV-2 patients dying in Italy)。

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コロナ展望録。その6
イタリア、ニューヨークなどのCovid-19による一時的な医療システムの崩壊や死亡者の人数は、誰もが忘れられません。当時に報道された映像や数字は、多くの人の記憶に焼き付けられ、Covid-19の危険度についての私たちの印象に大きな影響を及ばしました。「危なさ」や「危険度」について言うと、忘れていけないことがあります。こんな例で説明しましょう。車を時速100kmまで飛ばします。この飛ばし方は危ないでしょうか?鈴鹿のレーシングコースで飛ばせば、あまり危なくないですね。高速度道路で走ると、制限速度は超えているものの、危ないのか危なくないのかは、その時の状況によります。雨、霧、雪、混雑具合など。そして街中の道路を100kmで飛ばすことは、明らかに「殺人」と言いたくなる危険度です。ちなみに、逆に20kmで走る車がいつも危なくないかを考えてみると、決してそうとは言えません。街では交通の流れをちょっと邪魔するだけかもしれませんが、高速道路や路鈴鹿のレーシングコースで20kmで走るのは、極めて危険です。特にその道路を高速で走る車がいれば。

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コロナ展望録。その5
新型コロナウイルスおよび Covid-19 と、インフルエンザウイルスおよびインフルエンザの一番大きな違いは、ウイルス側にあるではなく、全世界がこの二つのウイルスに対してどのように反応しているか、にあるように見えます。喜んでインフルエンザに罹る人を僕は知りませんが、それでもインフルエンザウイルスは基本的に人類との共存が許されています。インフルエンザの季節になると、みなそれぞれ個人的に必要と思う程度に予防しながら、そして罹った時には休んだり、もしくは医療の力を借りながら病気を治します。それに対して、新型コロナウイルスは「悪」として扱われ、嫌われ、恐ろしがられています。ほぼ全世界がこのウイルスを鎮圧するための「戦い」や「戦争」を始めました。特に3月と4月には、このような形で宣戦布告を発した政治家や機関がたくさんありました。その中で大きな影響を及ぼしたのは、WHOのインフルエンザウイルスと新型コロナウイルスの違いについての3月3日の発言です

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