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ハーネマンが病気の原因について語る。(その3)
間違った治療や薬害も、病気の原因になり得ます。医療がもたらす新たな不調と病気は、最近の言葉では「医原病」(iatrogenic disease)と呼ばれています。ハーネマンは、病気の原因について細かく説明している革新的な論文「経験の医術」のなかでは、これにあまり触れませんでした。が、その後1833年に出版された『医術のオルガノン』の第五版以後で、アロパシー医学の治療が患者にもたらす害について、非常にはっきりと、そして批判的に語っています。「従来のアロパシー医学は、投与している薬の長期的な、多くの場合恐るべき影響を自覚していません。そして、色々な作用物質を混ぜて同時に治療に使うことによって、その影響をわざわざわからなくしているようにも見えます。こういった強い薬を、多くの場合長期間、頻繁に、繰り返し、大量に投与することによって、従来のアロパシー医学は患者の身体を傷めつけます。
2022.11.27
リビング・ホメオパシー2021年からホメオパシーを勉強し始め、先日2022年のLiving Homeopathy リトリートセミナーに参加しました。今年のセミナーもとても素晴らしい経験となりました。私は普段、内科の医師として働いています。医師として働き始めた研修医の頃よく考えていたことがあります。西洋医学ではその症状に対して薬を処方したり、外科的な処置をします。患者さんがその薬に反応し治療がうまくいけば治ったと実感するでしょう。しかし薬には少なからず副作用があり、副作用の症状が前面に出る場合もあります。また外科的な処置は麻酔を使用したり、体にメスを入れることで侵襲的になり体力を奪われます。私が西洋医学の現場で感じたことは、薬は補助的な助けであり、治ろうとする力はその人の生命力であるということでした。時には、生命力の灯火が治療のために消えてしまう場面も見てきました。
READ MORE2022.11.15
東京診療のお知らせ
東京での次回の診療日程が決まりましたのでお知らせします。
診療をご希望の方はメールまたはお電話にてご連絡ください。
【診察日】
2022年12月14日(水)ー 17日(土)
ハーネマンが病気の原因について語る。その2
前回のブログで述べたように、ハーネマンは「Heilkunde der Erfahrung(経験の医術)」という論文において、病気になった人間の個別治療の必要性を強調する文脈で、病気の原因について説明しています。我々人間は、宇宙に存在するすべてのものと親和しつつ、また戦いつつ、深く繋がっており、それ故、人間の身体に影響を及ぼす、病気にする要因は数えられないほどたくさんある、というお話です。その抽象的な説明をよりわかりやすくするために、論文の3ページにも渡る長い注釈を使って、ハーネマンはその要因の具体例をいくつか書き出しています。この注釈を、下記に日本語へ訳出します。ドイツ語の原文は区切りなしで書かれていますが、読みやすくするため、適当に改行や段落を入れておきます。
2022.08.05
リビング・ホメオパシー
「癒やすこと、癒されること。治療家になるためのホメオパシーセミナ一」
LIVING HOMEOPATHY 第11回勉強会 (2022年11月10日ー11月14日)
秋深まる長野県穂高市で、5日間のリトリート式セミナーを開きます。日常から離れて自然のなかに身を置き、集中的にホメオパシーを学びます。本セミナーは、「リビングホメオパシー」のメインプログラムであり、昨年の穂高リトリートセミナー(体験談1、体験談2)に引き続き、今年の勉強会の一環として行われます。これまでの勉強会の内容については、勉強会アーカイブをご覧ください。
ハーネマンが病気の原因について語る。その 1
人間はどうして病気になるのか?哲学的には答えは簡単です。生きている人間は、孤立的な存在ではないからです。生きることはすなわち、あらゆる次元やレベルで、数えられないほどたくさんのものや人との相関関係において存在する、ということでしかありません。命でさえも頂きものです。人間はそうした無数の相関関係の中で、能動的に人や環境に良い影響を与えることもあれば、悪い影響を及ぼすこともあります。同時に、受動的なかたちで人や環境から良い影響を受けることもたくさんあれば、悪い影響を被ることもあります。その複雑な仕組みの中でそれなりにバランスを保ちながら、悪いことを減らし、良いことを増やすことで、本人も、周りのものや人も、健やかに伸びていくことができます。しかし、悪い影響が多すぎると、自分ないし自分の周りにいるものは害を受け、壊れる或いは病気になる可能性があります。生きることは、こういったかたちでのギブアンドテイクに根ざした営みであるがゆえに、人が病気になる可能性は避けられません。
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