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「ホメオパスであるための50の理由」は、バーネットの多くの著作の中で、最も有名かつよく読まれている、そしてホメオパスならば誰でも読むべき本です。バーネットはあるディナーパーティーで、従来の正統派の医学の勉強に洗脳された、ホメオパシーを全く認めない医学生の甥っ子と大喧嘩しました。その後、この甥っ子とバーネットの間で文通がありました。甥っ子宛てに書いた手紙の中で、もともとアロパシー医学を習っていた自分がどうしてホメオパスになったのか、そしてなぜホメオパシーが普通で一般的な(regular)医学より優れていると思っているのかを、50の具体的な症例を挙げて表明しています。

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このブログでは、バーネットの主な著作をリストアップします。Natrium muriaticum と Aurum のレメディーについての著作を除けば、全ての本は特定の疾患群をテーマにし、自ら治療した具体的な症例を挙げながら、自分の治療経験と研究結果を公開する内容です。これらの著作から、当時の医師たちがよく診た病気の類と、ホメオパシーとバーネットの治療の幅や深さが伺えます:子供の発達障害、更年期の不調、乳がん、腫瘍、結核、肝臓の病気、静脈疾患、皮膚疾患、女性の臓器の疾患、脾臓の疾患、神経痛、痛風、ワクチノシス、白内障、瘻孔、白癬、扁桃腺肥大など。

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1901年5月のThe Monthly Homeopathic Reviewに発表されている死亡通知において、ジェームス・コンプトン・バーネットは以下のように語られています。「バーネットは、非常に珍しい、人並みはずれた性格と気質の持ち主だった。…. 無骨で重厚なタイプで、どこまでも率直で直情的。中途半端なことは許さず、自分の感じたことを自由に話し、自分が正しいと確信している限り、自分の言ったことが他人にどう思われようと気にしなかった。巨大な頭と鋭く力強い表情は、彼の精神的、道徳的な特徴を十分に物語っている。彼は患者に対して絶大な力を持っていて、その魅力的な人柄は、彼に相談するすべての人に感銘を与え、最大限の信頼を抱かせた。それだけでなく、医師が持ち得る最も貴重な天賦の才である、真の愛着と尊敬を引き出す才能も持っていた。彼は最高の意味で強い男だった。彼のパワーと強さを最も引き出したのは、自分の職業、特にホメオパシーへの熱狂的な献身だ

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ハーネマンと同時代の哲学者、イマヌエル・カント(Immanuel Kant、1724 - 1804)の(もしかしたら一番)有名な論文の中にも、肝心なところで「Sapere aude」というアピールが出てきます。ハーネマン本人はおそらく、カントのこの論文を暗に示すため、「Aude sapere」という題辞をオルガノンに付したと思われます。同時代の読者だけではなく、ヨーロッパの思想史を少しでも知っている人なら、「aude sapere」という言葉を聞けばすぐカントの名作「啓蒙とは何か、という問いへの答え」(Beantwortung der Frage: Was ist Aufklärung, 1784)が浮かびます。「啓蒙」という言葉は、フランス語の「lumières」ドイツ語の「Aufklärung」、英語の「enlightenment」の訳語で、日本語としてさほど一般に馴染みのある言葉ではないので、その意味もう少し見てみましょう。【蒙】は道理に暗いこと、覆い隠すこと、愚かなこと、無知なことを言います。

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ホメオパシー医学の基礎をまとめた大作『オルガノン』に、ハーネマンは「Aude sapere」(アウデー・サペレ)という題字をつけています。表紙に書かれたタイトル「医術のオルガノン」のすぐ下、ひときわ目立つ場所に、第二版(1810年)から第六版まで毎回この言葉を掲げています。「Aude sapere」はハーネマンの「オルガノン」の基調を表すと言ってもいい言葉です。そして、オルガノンを貫く精神はホメオパシーそのものであり、個々のホメオパスの心持ちにもなるはずです — 少なくともハーネマンの考えでは。残念ながら、ほとんどの英訳や邦訳にこの題辞のことは説明されていません。ラテン語の「Aude sapere」を日本語に訳すと、「知ることへの勇気を持ちなさい」「勇気を持って分別しなさい」「賢明になる勇気を出しなさい」「知恵を活かす勇気を持ちなさい」のような意味になります。あらゆる学校の門の上に刻んでもいいスローガンです。何があって、何のために、ハーネマンがこの題辞を選んだのか、もう少し探っていきましょう。

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ハーネマンが病気の原因について語る。(その3)
間違った治療や薬害も、病気の原因になり得ます。医療がもたらす新たな不調と病気は、最近の言葉では「医原病」(iatrogenic disease)と呼ばれています。ハーネマンは、病気の原因について細かく説明している革新的な論文「経験の医術」のなかでは、これにあまり触れませんでした。が、その後1833年に出版された『医術のオルガノン』の第五版以後で、アロパシー医学の治療が患者にもたらす害について、非常にはっきりと、そして批判的に語っています。「従来のアロパシー医学は、投与している薬の長期的な、多くの場合恐るべき影響を自覚していません。そして、色々な作用物質を混ぜて同時に治療に使うことによって、その影響をわざわざわからなくしているようにも見えます。こういった強い薬を、多くの場合長期間、頻繁に、繰り返し、大量に投与することによって、従来のアロパシー医学は患者の身体を傷めつけます。

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ハーネマンが病気の原因について語る。その2
前回のブログで述べたように、ハーネマンは「Heilkunde der Erfahrung(経験の医術)」という論文において、病気になった人間の個別治療の必要性を強調する文脈で、病気の原因について説明しています。我々人間は、宇宙に存在するすべてのものと親和しつつ、また戦いつつ、深く繋がっており、それ故、人間の身体に影響を及ぼす、病気にする要因は数えられないほどたくさんある、というお話です。その抽象的な説明をよりわかりやすくするために、論文の3ページにも渡る長い注釈を使って、ハーネマンはその要因の具体例をいくつか書き出しています。この注釈を、下記に日本語へ訳出します。ドイツ語の原文は区切りなしで書かれていますが、読みやすくするため、適当に改行や段落を入れておきます。

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