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2015.03.24
医療を考えるコレステロール神話の崩壊(前回のブログを参照)は、日本より海外のほうが進んでいます。日本にもコレステロール低下の医療的必要性を批判する専門家は増えていますが、その声や研究発表は(昔の反原発の研究者や運動家とよく似たように)まだメインストリームの医療、患者と医者の常識には届いていません。もっと興味のある人のために、このブログに日本語の資料編を載せます。親戚や知り合いでコレステロール値低下のためにスタチン薬剤を飲む人がいれば、この情報を教えてあげて下さい。どうぞご自由に活用ください。 「スタチン、心臓病予防に有効なの?学会調査では効果なし」(PDF) という見出しで、朝日新聞は2014年9月に脂質栄養学会理事の奥山治美氏の調査結果を紹介しました。奥山治美氏は、1990 - 2008年までに行われたスタチン剤の効果を確かめるため、16件の臨床研究を調べました。それによりますと、「効果なし」という結論に至った研究は、全て製薬会社から完全に自立している研究グループによって行われた一方、「効果あり」と発表した研究プロジェクト
READ MORE2015.03.21
医療を考える福島第一原子力発電所の事故をきっかけに、日本人の「現代の神話」に対する意識は、随分と敏感になりました。原子力のメリットとデメリットについて、他国では盛んな討論が行われましたが、日本では、問題を指摘する研究者や技術者がいながらも、莫大なお金を動かす「原子力村」が原発の色々な問題点(放射能の危険性、使用済み核燃料の保管、原発の経済性など)について、ディスカッションが国内に広がらないように動きました。その結果、「原発は安全で経済的だから、特に問題にしなくて良い」と言う神話(メルヘン、または嘘といっても良い)が多くの日本人の意識に刷り込まれてしまいました。 電力業界と同じく、莫大なお金が動いている医療の世界にも、この類の神話はたくさんありますが、多くの場合、医療に於ける神話の有効期限は、原子力神話と同様に、欧米より日本の方がうんと長いようです。ヨーロッパやアメリカで、長らく(ときに何十年間も)医療関係者の間で常識とされていた神話が経験や新しい研究によって崩壊しつつあっても、日本の医療では、なお根強く生き続けているケースがあります。そのひとつが「コレステロールの低下の意味と必要性」の物語です。
READ MOREホメオパシーを積極的に利用する人なら、日常生活で生じる傷や怪我(切り傷、削り傷、打撲、化膿、出血、火傷など)に対する、レメディーの即効性を良くご存知のことと思います。しかし大抵の場合は、救急医学におけるホメオパシーの使用について話すと、「救急手当にも効くんですか?」とびっくりされます。近代アロパシー医学と違い、ホメオパシーは診察や治療に高価で高性能な機械を使わないからでしょうか。ホメオパシーの得意分野というと、どちらかと言えば「時間をかけて治さなければならない基礎的な体調」や「生き方の改善を必要とする慢性病、難病」「こころの病」という印象になりがちです。話し合いによるセッションを通じて、必要なレメディーを処方するイメージが定着しているために、セッションが不可能な救急現場でもホメオパシーが有効だとは、想像がつかないのでしょう。実際、日本の医療システムの中では、未だ病院の治療と平行してホメオパシーを使う例が殆どないため、ホメオパシーの臨床的な役割と実績はあまり知られていません。けれども、ドイツや他国の臨床例を見ても、これはホメオパシーの偏ったイメージです。そこで今回は、近代先端医学の正
READ MOREホメオパシーは医学ですか、それともカウンセリングですか」という質問を日本ではよく受けます。ホメオパスは患者の調子を把握するため、病院とは違い、検査機器を使わずセッションで患者の話を聞きながら、診療を進めます。そのためか、ホメオパシーに不慣れな日本では、ホメオパシーは「医学というよりカウンセリング的なセラピー」、言い換えれば「主にこころの病を得意とする治療法」という印象になりやすいのです。医学なのか。カウンセリングなのか。この質問に答える前に、ちょっと哲学のお話をしましょう。個人の「こころ」をテーマにするカウンセリングと、人間の「身体」を処置する医学とは、別のものだという考え方は、こころ(精神)と身体(物体、物質)をきちんと分けることができるというものの見方を前提しています。哲学的に言えば、こころ(精神)と身体(物体)の二元論的な発想に由来するものです。この考え方を初めて明確に確立したのは、およそ400年前の哲学者、レネ・デカルト(Rene Descartes, 1596-1650)です。そして、この「こころ」と「身体」を分裂する考え方によって、存在しているあらゆるものを(何の気
READ MOREドイツ・バイエルン州の国営放送(BR, Bayerisches Fernsehen)が、2013年4月22日に、「知の魅惑」(Faszination Wissen)というシリーズの中で放映した、ホメオパシーについてのドキュメンタリーを紹介します。タイトルは「オパシーは医学なのか、医学もどきなのか?」(Homöopathie - Medizin oder Mogelpackung?)一般的なホメオパシーの賛否両論を出発点にして、この番組が分かりやすい形で、ホメオパシーの有効無効にまつわる、幾つかの最近の臨床治験を紹介しています。個人的に特に印象深かったのは、以下の四つの部分でした。畜産にホメオパシーを取り入れる Birgit Gnadlさんの仕事。牛の病気をホメオパシーのレメディーで治しながら、多くの畜産の現場で大量に使われている抗生剤が、殆んど不必要になっています。
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4月をもって東京の診療所が京都へ移転します。
日本でホメオパシー診療を始めて10年、京都、東京の2カ所で診療所を設けて8年になりました。おかげさまで、ドイツ本国で伝わってきたクラシカル・ホメオパシーの理念と方法をアレンジすることなく、日本で受診できる数少ない診療所として認知していただき、昨今ではクライアントがとても増えて来ました。このたび、より質の高い診療のため、診療所を京都に集約させることを決めました。京都と東京を移動する時間とエネルギーが減った分、より集中して落ち着いた形で診療できると思います。東京で診療を受けている方のためには、定期的に東京出張を設けて診療を継続します。
6月のブログで、ドイツのハイルプラクティカ(Heilpraktiker)という職名の意味と法的立場を説明しました。「Heilpraktiker」というのは、「医術従事免許」を持つ「医術従事者」のことです。ドイツでは、ホメオパシー医療を開業するために、この免許が必要です。このブログを読んだ人から、「ドイツではホメオパシー治療を受けた場合に健康保険で払えますか」と聞かれました。そこで、今回はドイツにおける健康保険とホメオパシーの関係を話しましょう。余談ですが、僕はかねがね、日本語の「健康保険」や英語の「health insurance」という呼び方が不思議なんです。健康というものは家財や車のように保険をかけられるようなものでしょうか?健康に保険をかけると、病気は避けられるのか?なんとなく、頭のいい広告代理店が考えた呼び方に聞こえてしまうのです。損害保険と同様、健康に損害
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